両手奏の導入
ピアノの導入期に適したテキスト。
バイエル一辺倒だった昔とは違って、今は様々なものがあり、選べる自由もありますがそれと同時に選ぶ苦労も。
私の選ぶポイントはいくつかあるのですが、全てをカバーできるものは少なく、いくつかのテキストを併用して使うことになります。
・左右のバランス。
右手ばかり動きのあるものではなく、左手にもメロディラインがあるもの。
・ト音記号とヘ音記号のバランス。
これもト音記号ばかりでなく、ヘ音記号の音もバランスよく出てくるもの。
・音の高低の意識。
五線譜からドレミだけでなく、音の高さ(高低)の意識づけができるもの。
・音楽のイメージをしやすい。
ただ音やリズムを正しく並べるのではなく、どんな曲なのか、楽しい曲、寂しい曲。 イメージして演奏しやすいもの
・両手奏への導入。
無理しすぎず、こどもたちに「両手はむずかしい!!」と思われないもの。
私の希望はいろいろありますが、上記のポイントの最後の1つ、両手奏への導入。
五線譜にも少しずつ慣れてきて、どんどんいろんな曲を弾いていってほしいころには、両手奏の練習も始めてほしいのですが、
初めて右手と左手を同時に動かす、しかも別の動きをするのはとても難しいので、
ピアノを始めてずっと張り切ってきたこどもたちの勢いもちょっとここで止まります。
片手奏で「トトロ」や「ドレミの歌」「ホールニューワールド」の曲をゆっくりでも、じっくりと音を追っていくのとは
様子は変わってきます。
初めて1年経つか経たないかくらいで、それらを弾くのもなかなか難しいと思うのですが、
みんな弾きたい曲のためなら必死でがんばります(笑) でも、それは片手だからまだなんとか。
両手奏には慣れるまで「イライラ」が伴う難しさがあります。
この「イライラ」の正体の1つには、「どうやったらできるかわからない」ということがあります。
片手奏なら目で追っていくのは1つの音、1つの鍵盤なので、時間はかかっても順番通りにすすんでいけます。
でも、両手奏は両手一緒のタイミング時にできなかったら、「あぁ、失敗。もう一度」となって、
なかなか先に進めないので、余計に「イライラ」してしまいます。
両手奏の導入には、読譜が簡単なもので、まずは左右の違う動きに体が慣れるように練習していきます。
そして実際にどのように頭で考えて、楽譜のどこを見て、どのように手(指)を動かすのかを伝え、
この時は音楽が楽しいとか、寂しいとかちょっと置いておいて、「イライラ」をできるだけ減らし、
「両手で弾けた!」という体験をたくさんしてもらいと考えています。
そこで、あるピアノテキストを両手奏の導入においてだけ使っています。
私は導入期こそ音楽の様々な要素をバランスよく学んでほしいと考えているので、
かなり偏りのあるそのテキストは私の好みではないのですが、両手奏導入においては大活躍なんです!
最初にも書きましたが今はテキストを選べる時代ですが、選ぶだけでなくどのように使うと効果があるのか
ということも大切なんだと思います。
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