自分の演奏を聴く
「ピアノを弾く」 と聞いてイメージするのは「弾く=指を動かす動作」のことだと思います。
もちろんそれが普通だと思うのですが、指を動かず動作だけに意識を向けて練習するのではなく、
”自分の音を聴く”ということももっともっと意識してもらいたいと思います。
小学2年生の女の子。
バイエル後半の曲やブルグミュラーの曲もしっかりと譜読みもできていますし、お家でも毎日30分しっかり練習してくれているので、
テクニック面もどんどん上達していますし、彼女の表現する音楽はとても素敵です。
でも何か物足りなかったり、バランスが乱れることも。
今週の課題曲もとてもよく弾けているのですが、メロディーに対して左手の伴奏の音量が大きく
少し聴きづらい演奏になっていました。
このような時、「右手のメロディーより左手の伴奏の方が大きいので、左手を小さく弾いてみて」と
私はすぐにはアドバイスしていません。
なぜなら、ピアノの音がどんな風に聞こえているのかよ~く聴いてほしいからです。
「先生が今から①と②、2種類の演奏をするので、何が違うか教えて。」
そして、
①左右の音のバランスが良い演奏。
②左手の伴奏が大きい演奏。(わかりやすく少しだけ大げさに弾きます。)
2種類の演奏を聴いてもらって、違うところを答えてもらいます。
ピアノの音を聴く練習です。
新しいセオリーに出会う曲の場合は、「こういう時はこうなるんだよ。」と今の状態(どのように聞こえているか)、
と一緒にすぐにアドバイスしますが、
家で自分で練習できるようになるためには、自分の演奏がどのような状態なのかを自分でしっかりと聴けることが大切なので、
このように自分の耳で聴く練習をしています。
彼女は”聴く”という習慣がなかっただけで、アドバイスをした後には演奏の雰囲気がガラッと変わり、とても良い演奏になります。
”聴く” という習慣がつくと、お家での練習もぐっと質の高いものになり、もっといい演奏になっていくと思います。
こちらの教室に通うようになって、約10ヶ月。 楽譜に書いている様々なことを読み取り(譜読みということだけでなく)、
自分の演奏を聴くことが少しずつできるようになってきました。
最近はテクニック面でもステップアップしていますので、これからがとても楽しみに感じています。
短期間で習慣づけることは難しいかもしれませんが、続けていくうちにどんどん練習、演奏が楽しくなってくると思います。
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