弾ける弾きかた
ソナチネアルバムくらいになってくると、曲の中に速い速度のアルペジオやスケールの部分が出てくることが多いです。
こういう難度の高いパッセージ(パッセージとは ※器楽曲で、旋律音の間を急速に上行・下行する経過的な音符群。)
速い速度で一気に弾く部分。こういうところはテクニックが必要になってきます。
速く指が回らない。
速く弾くと音をはずしてしまう。
スムーズな流れを作れず音が凸凹してしまう。
私もこういう壁にぶちあった時がありました。
私の先生はこういう時にテクニックという言葉は使わず、「弾ける弾き方で弾いてみましょう」と仰るのです。
弾けないというのは、弾けない弾き方をしているから。
弾ける弾き方に変えたら弾ける、というわけです。
禅問答のように聞こえるかもしれませんが、要するにパッセージが上手く弾けない原因を示してあげて、
それを改善する具体的な弾き方を伝えるということです。
手首の角度、指をあげる高さや鍵盤にのせる重さ(具体的な数字も示すことも)など、弾けている人がおこなっていることを
一つ一つ細かく伝えることによって、”弾ける”に変化します。
ポイントは具体的だということです。
テクニックというとどんな曲にでも対応できる技術のような感じになり、壮大な課題になってしまいますが、
今、練習している曲の、今、つまづいている問題点を、弾ける人はどのように弾いているのかを具体的に示すことでクリアして、
そういう個々の技術を積みあげることによって、適応力、対応力のあるテクニックが見に付いてくることでしょう。
0コメント