バイエル
どれくらい前からでしょうか。
「ピアノ教本、バイエルは時代遅れで欠点が多い教材である」と言われることが多くなりました。
どの教本にも長所と短所があり、複数の教材を使用してそれぞれを補い合って総合的な力をつけていく工夫が指導に必要になってくると思います。
バイエルの欠点としてあげられるのは、いつも同じような調性、コード進行の曲が何度も出てきて、だんだん飽きてくること。
調号が多く使われずハ長調が続き、突然、♯や♭が、たくさん付いている曲に出会ったときに難しさを感じます。
また、バイエルは右手がメロディ、左手が伴奏形の曲が殆どですから、左手で旋律を奏でる曲に対応するのは大変です。
そして、バイエルは106番まであり修了するのに時間がかかること。そして、何より読譜を含め難しい曲が多いことです。
しかし良い所もあります。
左手の伴奏形の様々なパターンを習得できること。古典派の基礎のハーモニー感も身に付きますね。
そして、美しい曲もたくさんあります。特に80番台以降は音楽的にも優れたものが多いと思います。
私は同じ時代、同じような形式の楽曲だけを練習すると、知識やテクニックを得るのに偏りが出てしまうので、
バイエルを1番から使用していませんが、ソナチネやソナタに進む前に古典派の基礎的な仕上げとして、
後半だけ(後半1/4だけの教本もありますので)を指導するようにしています。
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