適切な練習量
練習量が多いと上達のスピードは速くなります。
だからといってただたくさん練習させて、その結果ピアノを弾くことが苦しくなってしまっては、
ピアノを生涯楽しむ人に育てることはできないと思います。
やはりそれぞれの生徒さんにあった適切な練習量(または宿題量)を確保することが大事です。
前回の記事で、導入期の宿題量について話しました。
導入期の生徒さんはやる気はあるけれど、まだピアノの知識が浅く自分自身の練習プランも全く持てない状況です。
そのような時期にはたくさんピアノに触れられる課題、宿題を出すことで充分な練習時間を持てるようにしています。
短い曲でも、右手奏、左手奏、両手奏に加え、それぞれ鍵盤の位置を変えて高い音域、低い音域で弾く。
速さや強さを変えて弾く。(イメージを作りやすいように曲の物語を伝えることも大事)
と、宿題が短い曲一曲でもバラエティに富んだ課題を与えています。
導入期を過ぎ、自分で読譜ができるようになる時期。
この時期もどこまで読譜力がついているかによっても変わってきます。
読譜が定着している音域の曲は、譜読みの時間もそんなにかかりませんので、
リズムや拍子、様々なスタイルの曲に挑戦し、宿題の数も増やします。
最初は、「え~?! こんなに宿題あるの?」という反応ですが、どんどん弾けるようなると
「自分はできる!」と自信を持つようになります。
※ こんなに宿題! と言われますが、短い曲が3曲くらいです。(^^;)
読譜の定着の他に自信を持ってほしい目的もあるので、きちんとやればできる宿題になっています。
そして、まだしっかり覚えられていない音域の曲に挑戦する時は、すこしペースを落とすことも必要です。
読譜が難しい曲は、一度弾くだけでもかなり疲れます。(練習した~、という気持ちになりやすいです。)
初級から中級レベルになってくると、さらに個々の実力や生活パターンがわかれますので、
練習量や宿題量には個人差が出てきます。
そして、生徒さんのそれぞれの力にも差が表れます。
音を読むのは得意だけれど、リズムの取り方があまり上手くできない。
速いテンポの曲はノリ良く弾けるけれど、ゆっくりのテンポの曲はダラけた感じになってしまう。
このように生徒さんに得意なところ、苦手なところが出てきますので、
得意なところを伸ばす曲を練習するときには、求める課題も多くたくさん練習してきてもらいますが、
苦手意識を取りたい時はやはりペースを落とし、少しの練習量でも苦手なことにしっかり向き合ったことを
評価することが大事です。
生徒さんを苦しませることになる練習量は、なんのためにピアノを習っているのかわからなくなりますが、
練習量と上達スピードは比例しますので、「しっかり練習できる!!いまだ!!」というタイミングでは、
勢いにのってたっぷりの練習量をこなしてほしいと思います。
そして練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てたいと思います。
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