ソナチネアルバムのレッスン
当教室ではピアノを習い始めた導入期の生徒さんが多いですが、もちろん初級段階から中級レベルになる生徒さんもいます。
今日はそれらの生徒さんが主にレッスンで使っている「ソナチネアルバム」についてお話します。
「ソナチネ」とは、「小さなソナタ」という意味です。
では「ソナタ」「ソナタ形式」とは?
いろいろ解釈があり詳しく説明するとややこしいので、ここでは簡単に特徴を記します。
◎大規模な作品。
◎複数楽章に分かれている。
◎1曲(1楽章)のうち、提示部、展開部、再現部の3つの部分から成り立っている。
べートーヴェンやモーツァルト、その他たくさんの有名作曲家が立派な「ピアノ・ソナタ」をたくさん作っていて、
プロの演奏家が演奏することを前提に作られることが多いので、規模も大きく難度も高いものが多いのです。
それを小さく、易しく作られたものがソナチネです。
・技術的にやさしく、長さも短い
・シンプルで構成が簡略化されていたりする。
つまり初級者向けのソナタなんですね。
そういった「学習者用」の「やさしめの曲」を集めた練習曲集でよく使われているのが「ソナチネ・アルバム」ですね。
モーツァルトは、主に自分が弾くためのソナタ以外に、弟子のレッスン用のやや簡単なソナタも作っていて、
「ピアノ・ソナタ第15番ハ長調、K.545」などはソナチネ・アルバムにも入っていますが、タイトルはしっかりソナタになっています。
ソナチネアルバムをレッスンで使用するまでの本には挿絵があったり、ブルグミュラーでもタイトルがあるので、
どのように演奏するのか、テンポ、ニュアンスなどを表現する上でそれらが大きなヒントになっていました。
ですが、ソナチネアルバム以降には題名の付いていないものも多く、曲の構成をしっかりと理解し、ピアノで弾いてみて、聞いて
そこから表現を深めていくレッスンへと変わってきます。
構成というと少し難しく聞こえますが、
曲の最初に出てきたモチーフ(テーマ、フレーズ)がもう一度出てきた時、どう変化をつけるか。
フレーズやテーマは同じだけれど、調性(長調が短調になったり、またはその逆)が変化している時の表現。
などなどできるだけ具体的に、わかりやすく楽譜をどう考え、どう表現できるか、
またはできたかをレッスンに取り入れて、
次に同じような構成の曲に出会った時には、より生徒さんの理解が深まり自然に表現されるように、レッスンを進めています。
0コメント