大切にしていること
ピアノレッスンの導入期を大切にしています。
「ただ弾く」のではなく
「易しくても音楽を表現する」ことを大事にしてほしいと考えています。
ピアノに初めてさわる小さな子供たちは、鍵盤をおさえて音がなること、
レッスンを始めて間もない生徒さんは、順番通りに鍵盤を弾くことができただけで、
とても喜んで、うれしそうな笑顔を見せてくれます。
もちろん、とても素敵なことです。
でも、レッスンをスタートさせたら、
どんなに易しい曲でも演奏に音楽的表現があること。
どんな音で表現したいのかという思いがあること。
導入期から、音楽的体験を重ねてもらえるように指導しています。
そのことが演奏する本人にとって、表現する喜びとなり、
自宅練習も、より充実したものになり、ピアノの上達もはやくなり、
演奏することがさらに楽しいものへとなっていきます。
「よく聴く」こともとても大切です。
演奏が自分のイメージしたものになっているのか、表現できているのか、
よく聴いて味わいながら演奏することもまた喜びへとなります。
そして読譜。
読譜とは楽譜を読むことですが、これはドレミなどの五線譜を覚えることだけではありません。
音楽(曲)はどのように作られているのか、
音やリズムの他にも、音楽を表現するための楽譜に散りばめられたヒントを
読み説いていける力をつけることも大切です。
レッスンをスタートさせて、急いですすむことよりも、
最初は目には見えにくいけれど、1人でピアノが弾けるようになるための
大切な基礎となる部分をしっかりじっくりと取り組み、
外側からは、最初はゆっくりに見えても、やがて大きく育つようにレッスンをすすめます。
表現すること、イメージすること、
少し抽象的なこ言葉が並びましたが、
「音楽を表現する」という一番大切なことを、生徒さんにも理解してもらえると、
実際にできるようになるための具体的な練習も、
生徒さん自身が何のためにやっているのかを理解してくれているので、
しっかりと練習することができます。
そしてもう一つ。
私も幼少期から、何人かのピアノ先生に師事してきましたが、
音大を受験することを決めてから通うようになった先生は
私が上手くできない時、
「私の教え方、伝え方が悪かったようですね。」とにこやかな顔でおっしゃって、
翌週のレッスンでは違ったアプローチで
私の課題に一緒に取りくんでくださいました。
そんな経験からも
生徒さんが上手くできない時は、「私の責任」ということを
忘れないように常に心がけています。
その経験はひとりひとりをよく見て、観察して感じ取り、
生徒さん一人一人に合わせた、その生徒さんが
必要な指導方法を選んでいくことへとつながっています。
1人でピアノが弾けて、音楽を楽しむことができる生徒さんへと成長してくれることを
目標として日々指導しております。
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