教室のマナー

先日ある生徒さんのお母さんにお気遣いいただいたことがありました。

子供さんの靴下についてです。


その生徒さんはお母様が学校にお迎えに行き、そのままピアノレッスンに来てくれています。

「娘の靴下がとても汚れていて本当に申し訳ありません。次回から履き替える靴下を持ってきますので、

今日はこのままで失礼します。」と。


私はそんなお気遣いがとてもうれしいと同時に、正直ハッとさせられました。


実はアメリカに来てから、レッスンマナーについて細かく指導しなくなっていました。


そんな中きちんとしたマナーを子供さんに伝えてくださっているお母様にお会いして

考えさせられるものがありました。


ロサンゼルスに来る前に住んでいたところでは、生徒さんのほとんどは現地校に通っていて、

学校生活も日本のものとは大きく違うようでした。

そういう環境にいる子どもたちには、日本の時のようなマナーは指導しない方が良いのだろうか、という思いがありました。

マナーを守ることはどこに暮らしていても良いことですが、少し細かすぎるように思ったからです。


こちらでは、年に何度かガールスカウトの子たちがクッキーを売っているのを見かけます。

一度、スーパーの出入口でクッキーを売っている女の子たちからクッキーを買ったのですが、

その時、そのスーパーの商品であるペットボトルのお水の束の上に座りながら、お金を受け取りお釣りを渡してくれたのです。

商品に座ってる?? アメリカではそんなことも許されるの? それともこの子が特別?

そして、すぐ近くにいた保護者も何も言わなかったことに、さらに大変なカルチャーショックを受けました。

そんな様子を見たことでも、マナーの違いの大きさにも驚かされました。



「郷に入っては郷に従え」

外国で暮らす私の信条の一つです。

日本人であることを誇りに思って暮らすけれど、

「日本だったらこの処理にこんなに時間がかからない!」とか

「日本でこんな雑なことはありえない!」など、心では思っても(やはり思ってしまいます(笑))が、

それをここで暮らす人や働く人に押し付けたりするのは違うと思っています。

レストランで気の利かないウェイトレスさんが担当の時には「すみませ~ん!」と声をかけたいどころですが、

大きい声は出さないで、ただ気づいてくれるのを待つようにしたり。


普段そんなことを感じながら外国で暮らしている私は、レッスンマナーについても、

アメリカンな教育を受けている生徒さんにどこまでマナーについても指導するべきか、

はっきりしないまま今日まで来てしまいました。


生徒さん全員がいずれ日本へ帰る子供たちばかりなら、日本でレッスンしていた時のように指導する方向もいいのですが、

ご両親が日本人でもこちらで生まれ、これから先もずっとアメリカで生活される生徒さんもいれば、

ご両親が日本ではない国の出身という環境の生徒さんもいらっしゃいました。


ここロサンゼルスでは、日本人学校に通っている生徒さんが多く、

お母さんたちもとても日本的な気遣いをして下さる方ばかりだと感じています。


同じアメリカでも場所が変わると環境も変化するものですね。



教室マナーとは、生徒の皆さん全員が気持ちよく教室に通ってもらえるように、

レッスンが充実したものになるようにあるものですからやはり大切です。


ここでは日本でレッスンしていた時より生徒さんは多様性がありますし、個人レッスンですから、

私がこれだけは、と思うこと以外はレッスン内容と同じように個々の生徒さんに合わせて指導していきたいと思います。















ロサンゼルス トーランスの ピアノ教室

ロサンゼルス近郊、トーランスにあるピアノ教室です。 生徒さん一人ひとりの個性と成長にあわせてきめ細かい指導を致します。 音楽的自立を目指し、楽しくていねいなレッスンを行います。

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