ダルクローズ・リトミック
「音楽を手段として、個々の知的能力と肉体的能力の調和をはかる」
(エミール・ジャック=ダルクローズ)
リトミックの始まり
リトミックは、20世紀初頭に、スイスの作曲家で音楽教育家でもあったエミール・ジャック=ダルクローズによって
創案された音楽教育法で、児童心理学・生理学の観点から、大切な幼児期の人格形成教育として知られています。
ダルクローズは1892年にジュネーブ音楽院に和声学の教授として着任し、
将来の音楽の専門家となることを目指す若者を指導していました。
授業における彼らの活動を観察することによって、彼らが技術的には高い水準にあるものの、
音楽家として最も重要な音を聴き取り、感じ取る能力は不十分であることに気づきました。
そこで、音を聴きとって歌う練習、
さらには歌う際に手を動かす練習などを考案して学生たちの音楽を感じ取る能力、
音楽について考える能力を伸ばすための教育システムづくりに着手したのです。
これがリトミックの始まりです。
リトミックは音楽という素晴らしい素材で、音楽的能力を高めながら音楽を楽しみことはもちろん、
心と身体のバランスを取り、人間の基本的能力を高めていこうとするものです。
※リトミック研究センターのウェブサイトから引用
感じる能力
ダルクローズも強く必要だと感じた ”感じる能力” ですが、それはいったいなんでしょう。
私たちはきれいな花をみて、「きれい」だと感じることができますが、生まれたばかりの赤ちゃんには感じることはできません。
美味しいものを食べて、「美味しい」という感情も赤ちゃんは感じることはできません。
では、どのようにして子供たちはそれらの感情を持つのでしょうか。
それらは日常生活の中で、お花を見た時におかあさんやおとうさん、周りの大人たちや兄弟たちが
「きれいね」と言っているのを聞いているからです。
おかあさんたちも、花を指さしながら「きれいね~、かわいいね~、小さいね~」などと
表情や声の出し方など感情豊かに
こどもたちにお話ししていますよね。
手を汚した時には、「汚れちゃったねー、バッチーね」と困った顔の表情、声のイントネーションで話しかけながら、
手を拭いてあげたりしているのではないでしょうか。
そのようにして、こどもたちは様々な感情を経験し、いろんな状況において感じることができるようになっていくんです。
「経験」
これこそがこどもたちにとって大切なことです。
リトミックのレッスンでは、様々な音楽体験を経験し、1つのレッスンを終えた後には
「できた!」を実感し、
その「できた!」をレッスン毎に積み重ねて、想像力や創造力へとつながっていきます♪
「経験した」をたくさん積み重ね、こどもたちのひきだしを増やしてあげたいですね。
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